中日の期待の若手が現在地を語る企画「ニュージェネレーションズ」。今季の4回目は、高橋宏斗投手(21)にインタビュー。春季キャンプは投球フォームに苦心して、開幕は2軍で迎えたが、4月下旬の昇格後は7試合で3勝0敗、防御率0・56をマーク。ナゴヤ球場で試行錯誤した日々を振り返るとともに、21日に再開するリーグ戦でチーム逆襲の中心になる意気込みも語った。(聞き手・長森謙介)
―4月下旬に昇格後は7試合で3勝、防御率0・56。圧倒的な数字を残している
高橋宏「投げていて感覚もいいし、大胆に攻める投球ができている。直球をストライクゾーン内に自信を持って投げられているからだと思う。ただ各試合、要所要所を見れば物足りない。例えば4日のソフトバンク戦(バンテリン)では決めきれずに球数が増えた。もっとできた、という思いが強い」
―春季キャンプは、左足をすり足気味に踏み出す投球フォーム。挑戦の意図と変更への決断は
「現状を打開するための試みだった。今投げているフォームの最大出力を100%としたら、すり足のフォームは120%が出せる可能性もあった。実際に投げていても『145キロくらいかな』と思った球が3、4キロ増しだったり、他の数値でも今まで以上の球もあった。でも再現性が低くて、制球が定まらなかった。2月16日のシート打撃後に立浪監督と大塚さん(投手コーチ)と話したときに、どうなりたいか、と尋ねられた。その場で『僕は勝ちを重ねられる投手になりたい。そのためなら、何でもします』と伝えて、戻すことに決めました」
―昇格までの1カ月を振り返ると
「遠回りした、とは思っていない。ナゴヤ球場で落合さん(2軍投手兼育成コーチ)に右手の甲を頭の上に早く上げる助言をもらって、体に覚え込ませることができたし、角度を出すために歩幅1足分を狭める選択を自分で考えて実行できた。そもそも(山本)由伸さんと自主トレしていなければ、絶対に右肘を痛めていたはず。今頃、トミー・ジョン手術を受けて、リハビリ中かもしれない。可動域を広げて体の使い方を改善したから、中6日でも問題なく投げていられる。投球フォームの挑戦も可能性を広げる面でプラスだった。全て今の結果につながっていますし、後悔はありませんね」
―リーグ戦再開へ
「僕が出遅れた間にいろんな人にカバーしてもらった。今度は僕の番。苦しい時にチームを救える投球をしないといけないし、ローテーションの中心で投げていかないといけない。数字としては規定投球回と防御率1点台を目指したい」