阪神・岩貞祐太投手(35)が、今季限りで現役を引退することが27日、分かった。すでに球団へ意思を伝えており、近日中に正式発表される。横浜商大から13年ドラフト1位で入団。16年は先発ローテーションの一角を担って10勝を挙げ、20年途中からはリリーフに転向。22年から2年連続50試合登板を果たし、23年の日本一にも貢献した。昨季は、尊敬する藤川監督の下で自身2度目のリーグ優勝。働き場所を問わず、懸命に腕を振り続けた左腕が、13年間の猛虎人生を全うした。
誰からも愛された左腕が、マウンドに別れを告げる。岩貞が、今シーズン限りでの現役引退を決断。13年ドラフト1位で入団し、先発、中継ぎとフル回転した波瀾(はらん)万丈の猛虎人生にピリオドを打つ。
「悔いはないです。体がボロボロになるまでやれたかなと思う」
プロ3年目の16年に先発ローテーションの一角として10勝。20年途中からはリリーフに転向した。21年は46試合、22年からは2年連続50試合以上に登板。師と仰ぐ能見篤史氏の背番号14を受け継いだ23年は球団38年ぶりの日本一にも貢献した。13年目を迎えた今季登板は4月21日DeNA戦(横浜)1試合のみ。同26日に出場登録を抹消され、以降の昇格はなかった。それでもファームで牙を研ぎ、後輩への助言も惜しまなかった。真摯(しんし)に野球と向き合った一方、季節の移ろいとともに1軍の舞台で活躍する姿が脳裏に浮かばなくなった。
「毎年、“この布陣だったら、1軍のどこで、どういう役割をする”というのを考えていた。でも、自分が思う(投げる)ポジションもなくなり、“この出力、このボールなら居場所をつかめる”というビジョンが、まず見えなくなった」
誤算は、22年からの3年契約最終年だった24年。左肘を故障した影響で2試合の登板に終わった。この不調が響き「自分がイメージするピッチングスタイルと現実が、大きくかけ離れた」。尊敬する藤川監督と共闘した昨季は29試合3勝1敗、4ホールドと見事カムバックを果たしてリーグ優勝を支えるも、連覇を狙う今季は虎のブルペンに確固たる居場所を築けなかった。
1年でも長く――。信念の根底には志半ばで天国へ旅立ったドラフト同期の存在があった。23年7月に脳腫瘍で他界した横田慎太郎さん(享年28)だ。最期まで病魔と闘った後輩を思うと、簡単に弱音は吐けなかった。
「室内練習場の柱にも横田がいてくれたし、最後の方は“もうダメだな…”と思いながらも“そんな姿は見せられないな”と」
今年2月、SGL尼崎の室内練習場に横田慎太郎さんの顕彰プレートが設置された。柔和な笑顔に、岩貞の折れそうな心は何度も支えられた。山も谷もあった13年。すでに日本一1度、リーグ優勝2度を経験し「目標にしていたことは、それなりにクリアできた」。目の前に迫る“3度目の栄冠”。ナインと心一つにつかみ取り、心置きなくユニホームを脱ぐ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d960ed0d25370441e66b6d86496be313516004b0
