福留孝介氏 初回本塁アウトの岡林勇希に準備不足指摘「あれで試合のリズムがなくなった」
◇10日 阪神2―0中日(甲子園)
中日は阪神の右腕、村上に投球数100球未満の完封勝利を指す”マダックス”を達成され、今季33試合で7度目の完封負けを喫した。元中日などの外野手で、本紙評論家の福留孝介さん(48)は先取点を取り損なった初回の攻撃に厳しい目を向けた。
「中日は先に点を取れず、波に乗れなかった。逆に阪神は1点を奪ってみせた。(勝敗は)流れの違いです」
中日は初回、先頭の岡林勇希外野手が左翼線へヒットを放ち、手堅く田中幹也内野手がバントで二塁へ送った。そして3番の上林誠知外野手がカウント1ボールからのチェンジアップを捉えて一、二塁間をゴロで破った。本塁を狙った二塁走者の岡林は猛チャージして捕球した森下の好返球にタッチアウト。クロスプレーにもならず、余裕でアウトにされ、先制のチャンスを逃した。この走塁に、福留さんは準備不足を指摘する。
「ゲームの入りに、すべてのことに対して準備ができていない。厳しいことを言うようだが、天然芝のグラウンドで、あんなに余裕でアウトになるような打球ではなかったと思います」
上林のゴロが一塁方向へ転がった瞬間に、二塁走者はスタートが切れる。岡林は三塁付近で足が滑ったように映った。福留さんはそこに同情は寄せない。
昨日からの雨上がりとなった甲子園。試合前の練習は室内ではなく、グラウンドで行えた。
「練習中に(内野の)土の状態を確認していたのか? 把握していたのか? と問いたい。試合に出ている選手は”滑りました”では済まないんです。厳しいことを言わせていただくけど、あのアウトでこの試合のリズムがなくなった」
ワンチャンスを生かすかどうか、それがゲームの行方を左右する。結局は2回以降、中日は二塁を踏むことすらできなかった。完封負けは必然の結果だったと言えるのかもしれない。