中日は「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦に逆転サヨナラ勝ちした。2点ビハインドの9回に代打・石川昂弥内野手(23)と1番・岡林勇希外野手(23)の適時打で同点に追いつくと、2死満塁で2番・田中幹也内野手(24)が押し出し四球を選んで、大きな1勝を手にした。これでカード勝ち越しが決定した。
敗戦ムードがただよっていた9回2死。竜戦士は諦めていなかった。大島が今季初の猛打賞となる左前打で出塁すると、続く代打・ブライトの死球で一、二塁。ここでコールされたのは代打・石川昂。球場のボルテージは最高潮に達した。
「準備はしっかりできました。迷わずに、決めた球を振ろうと思っていました」。ロッテ・鈴木の投じた7球目。151キロの直球に詰まりながら中前へ落とす適時打でまずは1点差に迫った。2死一、三塁で代打・石橋が四球を選ぶと、1番・岡林が3球目の直球にバットを折られながらも右前に運ぶ適時打。3―3の同点に追いついた。
「バットを見ていて、打球がどこにいったのかは見てなかったですが、ヒットになってよかったです」。そして、最後は2死満塁から田中が押し出し四球を選んで、逆転サヨナラ劇が完成。大きな歓喜の輪ができた。
石川昂は喜びを爆発させていた。今季は開幕から4番に座ったものの、13試合で打率1割6分、0本塁打、3打点と打撃の状態が上がらない。4月12日には出場選手登録を抹消されて、ウエスタン・リーグ、広島戦(由宇)に合流。試合前練習では周りの選手が鋭いスイングをみせていた。
「焦りました。自分だけ迷いがあるなかで打っていると思いました」
考えを整理し、ひたむきにバットを振った。1軍に再昇格した後も9打席連続無安打。ようやくの快音だった。「(今日の打席に)自信満々でいけたかというと、そうではない。不安もあったけど、しっかり割り切っていけた。本当にうれしかったです」。ヒットは何よりのスパイス。「この打席がきっかけになればいい。開幕からチームに迷惑かけているので、自分の仕事ができるように頑張りたい。今日はホッとしたけど、また切り替えたい」と前を向いた。
中日・石川昂弥、9回1点差に迫る代打適時打!「この打席がきっかけになれば」
中日ドラゴンズ中日・石川昂弥、9回1点差に迫る代打適時打!「この打席がきっかけになれば」
◇7日 交流戦 中日4x―3ロッテ(バンテリンドームナゴヤ)
